地元で唯一の、小さなライブハウス。

だけど今日も

透き通った声がハウス中に響いていた。

―――…

「ねぇねぇ、槙くん」

「ん?」

「…まだ、彼女いないの?」

「いねーな」

「……女嫌い、だもんね」

「まぁ、な」

控え室、とまではいかない少しのスペースで。

バンドのライブを終えたばかりの槙くんを捕まえた私は近況報告をしていた。

「それよりお前、受験は平気なのか?」

「推薦で受かりましたよーだ」

「まじ!?…んだよ、先それ言えよ」

槙くんはあからさまにため息をついたけれど、すぐに柔らかく笑ってくれた。

「んじゃ、バンド復活出来んだ」

「うん」

大学に合格したことよりも、バンドに復活出来ることよりも、槙くんにどうしても言いたいことがあって来た、のに。

……言わないと。

私は大きく深呼吸して、口を開いた。

「「あ、あのさ」」

……え。

見事に被ってしまった声。

「…い、いーよ。槙くんからで」

そうだ、もしなんか言われたらこの言葉はずっと仕舞っておこう。
なんて決意じみたことを考えながら槙くんを見つめた。


「……晶の受験が終わったら言おうと思ってたから、今言う…けど」

「うん」

あぁ、やっぱりフラれるのかな。だったら聞きたくないな。

「……俺と晶で、絶対に解散しないカップルになりませんか」

「………?」

解散しないカップル?

――それってもしかして

「…だからっ…付き合って、下さい」

「……あは」

「な、何笑ってんだよ」

「…私と年離れててもいいの?」

「10歳差なんてどーにかなるだろ」

「…私几帳面じゃないけどいいの?」

「俺が几帳面だから」

「…女嫌いじゃなかった、」

私が呟くその前に、槙くんは私を強く抱きしめていて。

そしてそっと、囁いた。

「晶だけは例外」



(バンドも解散しないよ)
(当たり前)

-End-

親愛なるしょこたまへ
ど、どお!?歳の差っ←
ライブハウスとかは結構疎いからなんかあったら言ってね◎
これからもよろしく^^
あおいっちより←