どうした事か。自分の部屋の寝台の上で、よく知った女が寝ている。女の名前は朽木ルキア。身長144センチ、体重33キログラム、全て説明していると限りはないが、とにかく俺の部屋にルキアは居た。

すやすやと寝息をたてて、穏やかな表情で眠っている。勿論、俺が部屋を間違えていた、などというベタな展開では無い。テーブルの上にある読みかけの本と紅茶の入ったティーカップで、違いなく自分の部屋だとわかっていた。

問題は、何故ルキアが部屋に居るか、というよりも、何故俺の心臓がこんなにもバクバクと音をたてているか、の方だ。

寝ているルキアの服が乱れているから、などではない。あぁ、もしかすると、自分の部屋に見慣れない光景があることに驚きを隠せないでいるだけだろう。
あぁそうだ。そうに違いない。

俺は一人納得し、頷いた。

とはいうものの、先程から数メートル離れた場所で(とはいっても1.5メートル程だが)棒立ちしたまま様子を眺めているが一向に起きる気配は無い。

起こすか。いや、万が一悲鳴をあげられたら…と考えると無闇に起こすのは危険。かといって、棒立ちしながら様子をじっと見ているのも端から見ればただの変態だ。

どうしたものか。

こちらはこんなに色々と頭を悩ませているというのに、当の本人はスヤスヤと夢の世界に夢中。

「ここがもしノイトラの部屋だったらどうなる事か」


バクバクと脈打つこの胸を、俺は憎ましそうに右手で掴んだ。



090506